西赤石山 アケボノツツジに誘われて

別子銅山は愛媛県新居浜市の南部に位置する、赤石山系を中心とした銅山。 1690年から1973年まで、実に283年にもわたり銅を産出していた、日本を代表する銅山だ。 最深部は海抜-1000mにも達し、坑道は全長700kmにも及んだという。 もちろん、それだけ人の手により開発されたという事は、山の本来の自然環境にとって都合が良い事ではなかっただろう。 森林伐採はもちろん、銅精錬時に排出される亜硫酸ガスによる酸性雨の為に樹木の多くが枯れてしまった。 1939年、ようやく中和施設が開発され煙害対策に目途がついたが、長きにわたり大きな被害をもたらしたのだ。 閉山して40数年、今の緑豊かな赤石山系の姿からは、当時のはげ山は想像できない。 ただ、…