11月も末になり、四国山地も標高が高い所は少しづつ雪化粧が始まったようだ。
雪山は完全にど素人のワタクシ。
今シーズンから徐々に挑戦したいと思っている。
慣らしも兼ねて、完全に雪山となる前に、土小屋からの石鎚山を計画。
出来れば石鎚登る前にナイトハイクで瓶ヶ森頂上から朝日も撮れたら・・・という欲張りな計画。
しかし、あいにく前日の仕事終わりが遅くなり、更に夜明けは曇り予報となった為、天候が回復する日中に石鎚山のみに変更。
少しゆっくり目に出発だ。
今回も同行はT。
寒風山トンネル登山口から南へ折れ、土小屋を目指す。
この道は町道瓶ヶ森線と言って、標高1500m付近の尾根沿いを縫うように走っている。
別名『UFOライン』。
絶景のドライブコースだ。
UFOラインに入って少し行くと積雪&凍結路面が出現。
ある程度予想はしていたが、ラジアルタイヤではやはり危険と判断。
引き返す事にした。
石鎚山は諦めて、寒風トンネル登山口から伊予富士へ登る事とする。
11:08 寒風トンネル登山口(1120m)を出発。
まずは伊予富士or寒風山の分岐点である、桑瀬峠を目指す。
いつも思うが、歩き始めてからすぐの急登がなかなか辛い。
道は多くの通行人の通った後の雪解けので、ぐちゃぐちゃの泥んこになっている。
その両サイドに雪が薄く積もっている。
11月上旬に訪れた頃は紅葉は下火とはいえ、まだまだ秋の山といった雰囲気だったが、3週間ですっかり冬の景色だ。
空はいつの間にかどんより曇り空。
さっきまで青空が覗いたりしていたのに・・・
早朝のくもり予報を避けて、わざわざ遅めのスタートとしたというのに何たる事だ。
その空色も相まって、イマイチ低空飛行なテンションで先へ進む。
11:48 桑瀬峠(1451m)に到着。
この分岐を右へ行けば、11月上旬に訪れた寒風山~笹ヶ峰方面だ。
今回は左へ向かう。
手前の小ピークの向こうにガスに包まれた伊予富士山頂が見える。
なにか嫌な予感しかしない。
小ピークの西側に取り付くと、なかなかの急登だ。
雪も所々凍結していて、ズルズル危ない。
アイゼンは持ってきていなかったので、何とかそのまま登ったけど、あればより安全に登れたハズ。
大ブナの辺りで尾根を東側へチェンジ。
振り返ると桑瀬峠越しに寒風山~笹ヶ峰~ちち山が見えている。
絶景。
小ピークを越えると笹原に出て伊予富士が正面に見えてくる。
何とか頂上もガスに覆われずにいる。
この辺りからの笹原越しの伊予富士はなかなかカッコイイ。
全然富士っぽくなないけれど、登山を始めた頃にこの地点からの朝焼けに染まった伊予富士の写真を見て憧れていた事を思い出した。
テンションも一気に上がる。
快適な笹原の道をサクサク進む。
この辺りを歩いている時は無風で何の音もしなかった。
登山靴が踏みしめる音と、ズボンの裾が笹に触れる音だけ。
なにか山に吸い込まれるような、そんな感覚だった。
稜線左側に車道が見える。
UFOラインだ。
そして冒頭の画像のポイントに到着。
伊予富士がドカンと目の前に広がる。
北側の山腹にはびっしり霧氷がついている。
ここから一旦伊予富士直下の鞍部へ下り、そして登り返す。
12:40 鞍部に到着。
写真では分かりずらいけど、結構登っている。
よくよく調べてみると、ここからの登りは四国3大急登に選ばれているらしい。
高度を上げるにつれて霧氷の森へ突入。
左を見ても、右を見ても霧氷だらけ。
青空ならさぞ見映えするのだろうけど・・・
曇り空でも、より寒さが強調されて、これはこれでいいのかもしれない。
13:09 ヒーヒー言いながら伊予富士(1756m)山頂着。
何とかガスる事もなく視界は良好だ。
360°パノラマの大絶景が広がる。
北側は登ってきた道を一望できる。
寒風山、笹ヶ峰、ちち山、冠山、平家平。
その奥には赤石山系も見えている。
南側は一番手前の東黒森から自念子の頭、西黒森、瓶ヶ森、そしてその奥に石鎚山。
石鎚山から東側に岩黒山、筒上山、手箱山。
素晴らしい展望だ。
周辺の主だった山はすべて見えている。
頂上は少し風もあり、随分寒かったが写真を撮りまくり、ラーメンランチ。
暖かいスープが本当ありがたい。
約1時間程休憩し、下山開始。
当初ピストンを考えていたけれど、頂上直下のツルツル急登を下るのもしんどそうだし、すぐそこに見えている東黒森への縦走路を進んで分岐から林道へ降り、そのままお手軽林道歩きで登山口へ戻る事とする。
この安易な発想が大きな間違いとなるのだが・・・
14:00 下山開始。
少し行くと絶景スポット。
西黒森と瓶が森が眼前にそびえている。
なかなかに迫力満点。
そして正面には石鎚山。
その姿を常時見ながらの笹原ルート。
贅沢過ぎる。
それにしても、やはり石鎚山の姿はどっしりと威厳に満ち満ちている。
振り返れば伊予富士南斜面。
道は東黒森へ向かって続いている。
この辺りはやはり登山者が少なかったのだろう、雪がべちゃついていない。
サクサク歩ける。
登山道脇の、その綺麗な雪にテンションが上がったのだろう、40を目前にしたおじさんの左手には突然雪だるまが。
どうやらこの感動を石鎚山と雪だるまの写真で表現したかったらしいのだが・・・
雪だるまを手にしたとたんにガスが出てきてあっという間に石鎚山、瓶が森を包んでいく。
それでも諦めきれずにガスが晴れるまでと言って暫く手に載せたまま歩き続ける。
確認しておく。
我々はあと少しで40台のおやじコンビだ。
麗しき山ガールならまだしも、そんなおじさんが手先の凍傷に怯えながら雪だるまを運ぶ姿はなんとも痛ましい。
ワタクシなど近くに他の登山者がいないか、周りを見渡してしまったほどだ。
そして案の定、まるで予定されていたようにガスが晴れることはなく、その雪だるまは役割を終える。
14:20 伊予富士と東黒森との鞍部に到着。
分岐になっている。
このまま登ると15分で東黒森山頂との事。
ただ今回はそのまま林道へ下山する。
14:35 林道へ下山完了。
UFOラインの標高が高いのであっという間だ。
後はこの林道をサクサクっと歩けば寒風トンネル登山口・・・。
道中ツララ発見。
大きな木の根から染み出た水が凍っているようだ。
この辺りまではまだ余裕があった。
しかし。
歩けど、
歩けど、
歩けど、
登山口は見えてこない。
少し遠回りになる事は承知していたが・・・
ようやくスマホで地図をチェックすると・・・
・・・
・・・
・・・
ちょっと遠回りどころでは、ない。
後で調べた事だが、今回の山旅の総歩行距離が13.5km。
そのうち東黒森手前の分岐から林道へ降りた時点で約4.5kmだった。
つまり往路の倍、9kmの林道歩きとなってしまった。
トンネルを何本も越えて、朝通行を断念したポイントも通過。
すっかり雪は解けている。
何気に登り返しもあった。
行き来する車を横目にひたすら歩く。
笹ヶ峰方面が夕日に染まる頃、16:36 誰も居なくなった寒風トンネル登山口に到着。
みっちり2時間林道歩き。
ヘトヘトになった。
これ程の長距離の林道歩きは初体験。
登山靴で舗装路は本当に歩きにくいと痛感。
これならやはりきちんとピストンした方が何倍も良かった。
次回からは出来るだけ林道歩きは組み込まない方が賢明なようだ。
それにしてもこの山域の山々は本当に魅力的な山ばかり。
これからどんどん雪深くなっていくが、安全第一でのんびり楽しみたいところだ。
アイゼンも準備しないと・・・
T、今回もお疲れ~