いやあ、久し振り、そしてようやく、だ。
前回が六月の石鎚だったから、ほぼ2か月振りの山歩き。
あの頃は梅雨真っただ中で、これから訪れる夏の山行に向けて期待にワクワクだった。
しかし、実際には相変わらずの妄想ばかり先行でなかなか動けない。
そうこうしている内に、あっという間に高知ではよさこい祭りも過ぎ去って、今年の夏も後半戦に突入中。
早くしないと、夏が終わる。
焦っていると、なんとか天候が良さげ、そして時間が取れたので、前々から予定していた大山へTと共にチャレンジ。
5:50 すでに満杯気味の南光河原駐車場を出発。
大山登山では一番メジャーな夏山登山道を行く。
下調べで階段が多いことは分かっていたが、本当に歩き始めから階段だらけだ。
1合目通過。
2か月間もまともな運動していなかった体には、いきなり厳しい兆候が見え始めている。
ウソでしょ??
いきなりペース早かったろうか・・・
2合目付近ではもうすでに滝のような冷や汗が止まらなくなり早速休憩。
休憩してもなかなか回復しないので、Tには先に行ってもらう。
いきなり前途多難。
登り切れるだろうか・・・
だが周りはブナの豊かな森。
被写体に困ることはない。
所々シャッターを切りながら、ゆっくりゆっくり、重い重い体を一段一段持ち上げる。
7:50ようやく5合目の祠へ到着。
この辺りから少し展望が開けてくる。
西に目を向けると、境港の街並み、弓ヶ浜の綺麗なカーブが靄の向こうに薄っすら見える。
眼下には赤い屋根の施設。
大山まきばみるくの里だ。
いつだったか、鳥取旅行の際に訪れた所だ。
あの時は麓から見上げる大山の姿に感動したものだ。
反対側を見ると、逆光越しに大山北壁が一望できる。
天候も雲一つない青空という訳ではないが、十分な天候だと思っていられたのは、ほんの束の間。
次から次に麓から湧いたガスが、スルスルと音もなく北壁斜面を登って行く。
晴れてはガスって、また晴れての繰り返し。
頂上で晴れてくれているといいが。
とにかく先を急がなくては。
6合目の避難小屋を過ぎ、7合目、8合目を通過。
木道が現れる。
いよいよ頂上間近だ。
文章では一瞬だが、実はこの間70~80代ぐらいのおじいさんと抜きつ抜かれつのデッドヒートだ。
ガールにも追い越され、キッズにも置き去りにされながら、必殺『写真撮るふりして大休憩』をかましつつの進軍だ。
不甲斐なさで大量の汗と共に涙がキラリと光っている。
ガスはいよいよ勢いを増してきた。
それでも晴れ間が無いわけではない。
太陽光が差し込む一瞬、周りの景色に色がつく。
夏らしい、濃い、濃い緑。
この辺りから花が増えだした。
シコクフウロ、ホノバノヤマハハコ、サラシナショウマ。
他にもシモツケソウ、エゾアジサイなどなど。
頂上直下はダイセンキャラボクの純林が広がっている。
面積にして約8ヘクタール、群生としては日本最大規模との事だ。
キャラボクを保護するように、木道が頂上へ向かって伸びている。
先へ進めば進む程、ガスが優勢になって来た。
チラチラ覗いていた青空も消えている。
木道から撮影しながら進み9:30 どうにか山頂着。
どうやらTはとっくに登頂し、約1時間弱もの間待ち続けてくれたようだ。
なんて良い奴なんだ。
せっかくの山頂だが、やはりガスに包まれている。
時折薄くなるが、境港がハッキリ視認できる程にはならない。
剣が峰の方も同じでスッキリしない。
上の写真は一番ガスが晴れた時の物だ。
Tが登頂した頃は晴れていたらしい。
ぐぬぬ。
またしても不甲斐なさに涙がキラリ。
栄養補給と休憩をたっぷりとって、(すま~ん、Tには長すぎる休憩となってしまった)
晴れてきそうもないので、10:05下山開始、山頂を跡にする。
キャラボクの森を周回するルートがあったので、帰りは南周りのルートで。
道中に古い石室がある。
この石室は避難所として、大正時代に建造されたとの事。
周回コースはまさに秘密の花園状態。
小さな池もあった。
どこかしこに花が散りばめられた静かな道を行く。
犬の毛並みのような、不思議な草原。
西側の縁の方へ来た辺りで、少しガスが晴れた。
夏らしい雲間の向こうに下界が見える。
雲が目線の高さだ。
独立峰特有の、分かりやすい高度感が、ああ、今山のてっぺんに居るんだと実感する手助けをしてくれる。
10:30 木道周回ルートの分岐に到着。
登ってきたルートに合流し、本格的に下山開始。
下るほど天候が回復しているような気がする・・・
6合目の避難小屋で少し休憩し、行者別れの分岐を右へ。
このルートも急な階段が続く。
ただ、周りは本当に豊かなブナ林。
テンションが上がる。
撮影の為に立ち止まる回数も増える。
11:40元谷の堰堤前に到着。
そのまま大神山神社へ向けて下っていく。
境内手前の森も大変に素晴らしい。
ブナ林にに針葉樹が混じりこんだ森だ。
12:40 神社、お寺を通過して、駐車場着。
ああ疲れた。
本当に疲れた。
かなり疲れた。
しかし。
さすが、百名山。
素晴らしい山だった。
もちろんまた来たい。
だがその前に。
とりあえず、もう少し鍛えなくてはならない。
体が重い。
せめてコースタイムぐらいに歩けないと・・・
帰りの道路からとった写真がタイトルの写真。
山頂、しっかり晴れてる。
ぐぬぬ。
やはり、最後に悔し涙がキラリ。