早いもので2017年も終盤、遂に11月に突入。
秋の登山シーズンも半分を折り返したイメージ。
今年の秋は、せっかくの紅葉のタイミングで2週連続週末を襲った台風、そして天候不順の為、数回登山計画中止を余儀なくされた。
ようやく巡ってきた、週末快晴予報。
今回の目的地は寒風山経由、笹ヶ峰。
実は当初面河~石鎚~土小屋~バスで面河へ戻る周回コースを予定していたのだが、どうやら土小屋~面河の間が先日の台風により通行止めの様子。
なので急遽行先変更となったのだ。
笹ヶ峰は日本200名山、そして四国100名山にもその名を連ねる名峰。
いずれ訪れてみたいと思いながら、なかなかその機会に巡り合うことがなく、ようやく今回初めて訪れる事となった。
6:15 旧寒風山トンネル登山口着。
珍しく予報通り雲一つない快晴。
風が強く、震えるほど寒い。
ついこの前まで暑い暑いと半袖Tシャツで登っていたのが夢のようだ。
同行はいつものT。
6:33 旧寒風山トンネル登山口(1420m)を出発。
まずは稜線上の分岐点、桑瀬峠を目指す。
登山口から自然林の中、まずまずの急登をゆっくり登って行く。
幸いに樹林帯の中なので、風はだいぶ和らいでいる。
日の出時刻も丁度6:30ぐらいで、スタートした時はまだ日差しはさしていなかったが、少し行くとじわじわ太陽光が差し込んできた。
紅葉は登山口辺りの高度がピークらしく、高度を上げれは上げるほど、色味が落ちて、落葉して枝だけになった樹木が増えてくる。
それでも、まだまだ、綺麗だ。
朝日に包まれた森を抜けると勾配が少し緩やかになり、笹原の灌木帯に変化する。
右に大きく向きを変え、山腹を平行に横切るように徐々に高度を上げながら進む。
高木の樹林帯を抜けると、とたんに風が強くなる。
しかも、かなり冷たい。
桑瀬峠の少し手前で視界が大きく開け、寒風方面の北斜面になななんと!
霧氷を発見。
テンションが上がる。
実は、霧氷を見るのは初めてなのだ。
7:18 桑瀬峠(1451m)着。
寒風山はその名の通り、寒い風の山、つまりは霧氷が良く付くことで有名だ。
暫く撮影タイム。
寒風方面と反対側、伊予富士方面も北側斜面に霧氷がついている。
真冬ならよく見かける風景なのだろうが、紅葉も若干残るこの時期に見られるのはラッキーなんだろう。
朝日にキラキラ反射して輝いている。
青空に映える。
7:30 桑瀬峠を出発。
しかしその歩みは遅々として進まない。
何せ全てが絶景だ。
その都度立ち止まりシャッターを押さなくてはならない。
前を見て、横を見て、振り返って、おお忙しい。
パチパチ撮り続ける。
寒風山手前の岩峰に近づくにつれて、更に霧氷は”濃く”なってきた。
まるで白い桜が満開という趣だ。
風は相変わらず冷たく、そして強い。
霧氷のトンネルをくぐり、太陽に燃える霧氷林を抜けていく。
冷たい風が吹き抜ける度に、パラパラ音をたてて短冊状の氷が舞い落ちてくる。
本当、本当に最高だ。
桑瀬峠からの道を振り返る。
クッキリ稜線西側に集中して霧氷がついているのが分かる。
岩峰を通過、稜線東側の斜面をトラバース気味に進む。
この辺りは一面笹原だ。
笹の下部には天然林が広がっている。
8:26 寒風山山頂着。(1763m)
霧氷に夢中になっていたせいか、随分あっという間に到着した感がある。
山頂からは360°の大パノラマが広がる。
南側は岩峰越しに伊予富士。
北側は笹ヶ峰~ちち山~冠山の稜線が。
今回はこの先、笹ヶ峰まで向かう。
少し休憩して、8:40 笹ヶ峰に向けて出発。
一旦緩やかに下り、平坦な鞍部を通過する。
この辺りも笹原の気持ちいい道だ。
そして霧氷が残る1740mピークへ登り返す。
その奥が笹ヶ峰だ。
登り詰めると、後は頂上に向かって笹原の中をゆるゆる高度を上げて行く。
それにしても、今日は本当に天気がいい。
秋晴れの、青い空の下をどんどん進む。
途中の岩場でおすまし撮影会。
10:00 笹ヶ峰山頂着(1859m)。
多くの登山客で賑わっている。
ここで大休憩。
大展望の中、いつものカップラーメン&おにぎりのランチとする。
寒い中でのラーメンは本当に最高。
ただ皆さんご飯はいろいろ工夫されているみたいで、次回は少し違う物にしてみようかなと考えてみたりする。
歩いてきた桑瀬峠からの道を振り返ると霧氷も随分少なくなったようだ。
北東方向には主脈がずんずん伸びており、ちち山~冠山~平家平への稜線を望むことが出来る。
さて、これからどうしようか。
とりあえず計画ではここから林道に向かっての直登ルートを下るのだが、まだお昼にもなっていない。
当初は面河のロングルートを想定していたので、Tは少し歩き足りない様子。
ここからちち山をピストンして下る、桑瀬峠に戻り伊予富士を目指す、ちち山をピストンして林道へ下り、もう一度桑瀬峠に登り返し、伊予富士へ向かう等どんどん訳の分からない妄想が膨らんでいる。
とりあえず、ちち山をピストンして考えてみるという事に。
11:15 笹ヶ峰発。
鞍部に向かい笹原を下る。
下りきった辺りから笹藪の背が伸び、腰辺りまで笹漕ぎとなる。
鞍部北側には貴重なシコクシラベの森。
写真は帰路にちち山側から全体を写したもの。
深い緑の森が北側斜面に広がっている。
鞍部から少し進むとちち山への登り分岐。
小さな標識もある。
直進するとちち山をトラバースし、冠山へ。
左に行くとちち山頂上だ。
11:55 ちち山(1855m)到着。
笹ヶ峰に比べると、狭い山頂だが、展望は同等。
素晴らしい絶景が広がる。
北東側に赤石山系。
東向きに冠山~平家平へ続く稜線。
冠山へは今年の春、平家平経由で訪れている。
そして南西側、歩いてきた笹ヶ峰~寒風山~伊予富士。
その向こうに見えているのは手箱山だろうか。
石鎚は丁度笹ヶ峰の向こう側でよく見えない。
十分展望を堪能して、笹ヶ峰へ戻る。
12:45 笹ヶ峰に到着。
桑瀬峠経由伊予富士案もあったが、今回は予定通り急登を下山する事に。
山頂で少し休憩した後、
13:10 下山開始。
出発少し前に先行の方が下って行ったようだ。
一面笹原の中を、腰から胸ぐらいまで笹薮こぎ。
足元も全く見えないし、勾配もなかなかある為、慎重に進む。
やがて樹林帯に突入。
ブナの巨木が乱立する、素晴らしい森に。
高度を下げるにつれて、黄葉が残っている木が目立ち始める。
登山道は相変わらずの勾配で下っており、落ち葉が滑ってなかなか歩きにくい。
ピークは過ぎているのだろうけど、十分満喫できる。
黄金色の、明るい森の中で少し休憩。
木漏れ日が綺麗だ。
紅葉の下で休憩したのち、無言でどんどん下る。
長く、そして思いのほか厳しい下りだった。
ようやく林道が見えた時は、正直ほっとした。
14:28 林道登山口(1151m)へ到着。
やり切った感に包まれたものの、ここで終わりではない。
残された、寒風トンネル登山口まで林道歩き。
延々と約2km。
15:20 茶屋到着。
丸々1時間かかった。
今回の行動時間、休憩含め約9時間。
終始晴天にも恵まれ、紅葉+霧氷を見ることもでき、充実した山行となった。
笹ヶ峰まではルート自体も大変明瞭で、所々ロープや梯子も整備されている。
笹ヶ峰からはやや笹薮漕ぎっぽくなるが、悪戦苦闘する程でもない。
その上終始絶景の中を進む。
ここはビジュアル的に少し我慢の時間帯といった区間が全くない。
本当に満足できるルートだった。
次回、何もかもが上手くいった今回の反動が来ないことを祈りながら・・・
Tお疲れ!