森の旅 

To the world where you've never seen.

, …

白髪山~三嶺縦走 初秋の道を行く

約12分


またしても、随分久し振りの投稿となってしまった。

ついこの前まで茹だるような暑い毎日だと思っていたが、あれよあれよという間に10月に突入、朝晩はそれに応じでめっきり涼しくなった。

いよいよ紅葉シーズン到来、山に行きたくてウズウズしてくる。

明るい新緑、ピンと張りつめた雪山、濃緑にうかぶ入道雲の夏山、それぞれの季節で山や森は魅力的な姿を見せてくれるが、紅葉の時期はやはり特別。

雄大な山々が赤や黄色、オレンジに染まるその姿は見飽きることがない。

今回の山旅は三嶺。

Tと同行だ。

前回の土佐矢筈山が九月の初っ端だったので、約1か月半ぶりの山歩きとなる。

ルートは白髪山~カヤハゲ~三嶺のピストンとした。

三嶺には今年の雪山シーズンに初めて登って以来、2度目となる。

三嶺 残雪の道を行く

この時は三嶺北側のから登った。

今回はその反対側、南からのルートだ。

往復約10km、アップダウンを繰り返しながらの道なのでそれなりにしんどそうだ。

白髪山登山口のトイレ、小屋がある峰越駐車場に車を停める。

天候は快晴。

久し振りの条件の良さにテンションが上がる。

これは期待が持てそうだ。

まずは白髪山頂を目指す。

登山口の標高が1450m、山頂が1769m、高低差320mの登りだ。

白髪山も今年一度挑戦している。

人生初の雪山に挑戦した時に選んだ山だ。

この時初めて見た南からの三嶺は端正などっしりした山容で随分カッコ良かった。

と、同時になかなか遠いなぁと感じたのだが、さて今回どうなるやら。

白髪山(物部) 完璧な冬山デビュー戦

8:13 登山口(1450m)を出発。

登り始めは樹林帯の中を進む。

丸太で土留めされた階段が整備されているのだが、所々足元の土砂が流出してしまっていて、障害物競走のハードルのようになっていて歩きづらい。

登山口周辺ではまだまだだった紅葉も、高度を上げるにつれてほんのり色づいている木も増え始めた。

約30分で樹林帯を通過、笹原へ出ると同時に大きく視界が開ける。

つい先ほどまで快晴だった空に、ガスがモクモク湧いている。

ムムム!?

先程までの雲一つない青空はものの30分で消え去ってしまったようだ。

ついていない。

何とか西側に青空は見えてはいるものの、東側は真っ白。

笹原を上り詰めて、8:56分岐着。

左へ行くとすぐに白髪山頂、右へ行くと三嶺、剣山方面だ。

とりあえず山頂を踏む。

8:58 白髪山頂着。(1769m)

北向き真正面に三嶺の姿が見えた。

ただし、時折ガスが横切ったりする。

中央にそびえる山が三嶺、その手前の茶色いピークがカヤハゲ(1720m)、そしてその手前右よりのピークが白髪分岐(1732m)だ。

ここから右側の稜線を進み、まずは白髪分岐を目指すことになる。

9:05 休憩もソコソコに出発。

山頂直下北側斜面に鮮やかに紅葉している木が数本みえるが全体としてはまだまだのようだ。

これからが本番だろう。

稜線はブナやリョウブ、ウラジロモミが豊かな自然林の道。

とても雰囲気が良い道だ。

しかし気になるのはあちこちで鹿よけと思われるネットが樹木に巻き付けられている事。

やはり被害が多いのだろう。

表皮を剥がれて枯れている木が多数見受けられる。

三嶺周辺の鹿害対策に多くのボランティアの方々が尽力されていると聞いた事があるが、本当に頭が下がる思いだ。

9:47 白髪分岐(1732m)へ到着。

三嶺まで4.5kmとある。

ピークでは一組休憩されていた。

どうやら三嶺から来たようで、これから剣山方面へ向かうとの事だ。

剣山方面に目を向けると、少し下った先に白髪避難小屋が見える。

分岐のピークから望む三嶺。

相変わらずガスが時折通過して行くが、先程よりはだいぶマシなようだ。

なんとか山頂で視界ゼロだけは避けたい。

9:55 少し休憩して出発。

ここからカヤハゲとの鞍部(韮生越)へ向けて一旦下る。

樹林帯の中を歩いていると、ガスが晴れたのか、太陽光が差し込んできて、素晴らしい木漏れびロードとなった。

途中ダケカンバに囲まれた、水たまりの脇を通過。

そしてすぐに急な下りへ突入。

これが結構な斜度で、ぬかるみもあってズルズル。

慎重にゆっくり下る。

10:18 韮生越(1600m)着。

看板と鐘があり、三嶺へ3.2kmとある。

ここからカヤハゲへ登り返す事になる。

カヤハゲは一面ススキに覆われている。

遠方から茶色く見えたのはそのせいだ。

10:35 カヤハゲ頂上(1720m)着。

残念ながら三嶺はガスの向こう側だ。

カヤハゲ頂上で少し長めの休憩を取る。

ここから更にもう一度下り、三嶺山頂直下を急登するのだ。

ここが今回のルートのハイライトだろう。

エネルギーチャージしてそれに備える。

カヤハゲ山頂では光石からのグループ、同じ白髪からのソロのおじさん、そして三嶺からの登山客と少し賑やかになっている。

10:50 カヤハゲを出発。

北面斜面はススキではなくコケに覆われている。

その奥に痛々しい白骨林が、皮肉にも紅葉とのコントラストを作り出している。

カヤハゲは2006年頃までは近隣の山々と同じように笹に覆われていたという。

しかし、増え過ぎた鹿の影響で笹は一気に食い荒らされ、ほぼ裸地になったらしい。

調整捕獲やネットの設置等によって随分回復してきているとの事だが、昔のように笹で覆われるまでにはまだまだ時間がかかりそうだ。

 

カヤハゲを下り、鞍部から緩やかなアップダウンを数回繰り返しながら更に進んでいくと、どんどんと三嶺が大きくなってくる。

いよいよゴールは近い。

この頃には天候も随分回復してきたので、森全体に光が入って本当に綺麗だ。

そしてついに山頂直下の大岩の手前まで来た。

この辺りから急登が始まる。

大岩の右側に鎖がある。

Tから凄い断崖絶壁を登っているように盛って撮れとの執拗かつ粘着的な要求により写真では随分きつそうな鎖場に写っているが、鎖無しでも行けそうなぐらいだったし、ちょっとした迂回路もあった。

鎖をクリアして、振り返ると歩いてきたルートが見渡せる。

さあ、あと少し。

クマザサの中、急登をゆっくりゆっくり登る。

疲労もピーク、腿上げがしんどい。

必殺写真撮るふりして休憩も交えつつ進む。

そして遂に。

11:47 三嶺山頂(1893m)着。

本当に疲れた。

3連休の中日、山頂は多くの人手賑わっている。

コメツツジの紅葉はもう少し先の様子。

定番の避難小屋向きカット。

そして今日歩いてきた道を再度振り返る。

ほんと、よく来れたもんだ。

山頂ではもちろん大休憩。

久し振りにガスバーナーも持ってきたので、例によってカップラーメン&おにぎりでランチ。

本当に、体の芯から旨いと感じる((´∀`))

周りの登山客からは今から小屋で宴会じゃとか色々聞こえてくる。

この山で一泊とか最高だろう、きっと。

我々は日帰りピストン。

疲労困憊になりながら、ようやくたどり着けたルートをまた舞い戻らなくてはならない。

12:43 後ろ髪を引かれながら下山開始。

ちょうど南斜面に太陽光があたり、紅葉が鮮やかに浮かび上がった。

赤、黄色、オレンジ、茶、黄緑・・・

色とりどりのパッチワークが美しい。

大岩の上で少し撮影休憩。

ここでもTからのマッターホルンの頂上に居るように撮れとの厳しい要求に悪戦苦闘する。

大岩通過。

太陽も西よりになってきて、往路とはまた違った、なんとなくより秋らしい、しっとりとした雰囲気の中を進む。

コケの北側斜面を上り詰めて、

13:34 カヤハゲ着。

往路と打って変わって、三嶺クッキリ姿を見せている。

ススキと三嶺を絡めて。

鹿害の前は笹原だったわけで、逆に被害が無ければこの写真は撮れなかっただろう。

東側剣山方面もガスが晴れている。

本当に気持ちが良い。

13:47カヤハゲ発。

13:54 韮生越通過。

立ち枯れした木々が目立つ。

そして、おそらく最後の難関、白髪分岐へのズルズル急登。

一歩一歩進む。

うーむ、しんどい像。

14:23 白髪分岐ピーク着。

少し曇ってきたようで、白髪山付近はすっぽりガスに覆われている。

14:30 白髪分岐発。

時折陽が差すものの、曇り空の中を進む。

15:06 白髪山山頂着。

三嶺方面は全く見えない。

先程までの晴れ空がウソみたいだ。

かと思っていると南東方面のガスが一瞬晴れた。

これが本日最後の青空となった。

瞬く間にこちら側もガスに包まれ、ホワイトアウト。

真っ白な世界で休憩を取り、

15:25 下山開始。

15:50 無事登山口着。

長い山旅は幕を閉じた。

初めて歩いたこのルート、確かにアップダウンがあってしんどいが、見せ場が色々あって本当に飽きない。

ほんと至る所が撮影ポイントという感じだ。

目指す三嶺が歩くたびに近づいてくるというのも、ポイント高い。

そして、三嶺は南からの姿がシブイと再認識。

全山紅葉には少し時期が早かったが、それでも十分満足できる山行となった。

このルート、ちょっとクセになりそうだ^^;

また来ます。

必ず。

T、今回もお疲れデス。

また宜しく!

 

 




Leave A Reply

*
*
* (公開されません)