森の旅 

To the world where you've never seen.

毛無山〜白馬山 豊かなブナの森に潜る

約7分


山歩き日 2020年2月2日

今回訪れたのは以前から少し気になっていた、岡山県、毛無山(けなしがせん)。
岡山県の北部西寄り、鳥取県との県境に位置し、豊かな自然林と頂上からの360°の大展望で有名な山だ。
中国百名山にも認定されていて、大山から南へ直線距離で15kmという位置から、絶好の大山展望台としても名を馳せている。
今回も同行はT。
天気は午前中快晴、午後は少し下り坂との事。
できれば、というかせっかく毛無山に登るのなら冠雪した大山を撮りたい。
どうやら早めの登頂が得策のようだ。

5:45 香川県のT家で合流し、まだ真っ暗な中、一路高速道路を北上する。
瀬戸大橋を通過し、北房ICで下道へ。
さらに北上し、登山口がある新庄村田浪へ向かう。

道中の高速道路にて。
運命を呪うしか無い空色。
何故いつも・・・

途中コンビニで食料を調達し、ガソリンスタンドを探し回ったりしながら、(日曜日の早朝なのでどこも閉まってたのだ)
8:50 登山口である、毛無山ビジターセンター前に到着。
3台ぐらい先行者と思われる車がある。
心配だった天候もさっきよりは随分よくなっている。
奥に霧氷に覆われた山肌が見える。
これは期待できそう。
奥には田浪キャンプ場がある。
デイキャンプ無料、宿泊は1サイト1500円。
夕方管理人が集金に来るだけで、炊事棟とトイレがあるだけの周りには何も無い静かなキャンプ場。
さらに茅葺き屋根の自炊宿泊施設、山の家もある。
囲炉裏付きの部屋もあり、風呂、寝具完備。
囲炉裏付き!
座敷童でそうだけど、うーむ、魅了的。
ぜひ泊まってみたい。
平日昼間利用で10000円、土日祝日は無料開放。
夜間宿泊は貸し切り15000円。(5名まで)
6名以上は1人ごとに2000円追加となるようだ。
残念ながら冬期は閉鎖されているみたい。(利用期間4月〜11月)
予約はネットでもできるみたいだけど、問い合わせは新庄村役場へ。
TEL (0867)56-2628
ちなみにビジターセンターのトイレは水洗で、きれいに管理されている。

9:10 準備を整えて出発である。
まず天候の良いうちに一刻も早く毛無山へ登って大山を撮影。
その後稜線伝いに白馬山経由で下山する周回コースの予定。

登山口の標高はすでに670m。
毛無山山頂が1218mなので、標高差548m。

9:12 沢沿いに進むと分岐。
頂上まで2kmか。
コースタイムは90分ぐらいなのだが、雪の状態で多少遅くなりそう。

上り初めは緩やか。
沢の音を聴きながら、杉林の中を進む。

9:34 四合目を通過。
ここから徐々に傾斜が増してくる。

徐々に植生は杉からブナの森へ。
積雪量は20cmぐらい。
トレースがあるので楽ちん(°▽°)

小さな木に混じってブナの大木が点在している。
しっかり世代交代ができている森なのかなと思う。

四国のブナより白い肌部分が広い?のか全体的に白っぽく感じる。

急登とまではいかないけれど、だらだらと登りが続く。
日差しもあり、風もないのでかなり暑い。
霧氷もすでに溶けて無い。
TがTシャツでも良いぐらいと言っていたが、本当にそう。
途中でアウターを脱いで、先へ進む。

photo by T

9:49 六合目通過。

10:21 何故か七合目を見つけれずに、八合目に到着。
大岩を巻いて進む。
山頂まで0.3km。

標高が上がってくると、霧氷が残り出す。
何回見ても、ブナの霧氷は綺麗。

10:38 9合目にある、避難小屋に到着。

頂上直下の笹原を進む。
上空は紺碧の空。
否応なしに期待感が膨らむ。

眼下には登山口である、田浪地区が見えている。
中央の白く輝いているのは畑に積もった雪。

10:55 遂に毛無山山頂に到着。
誰もいない。
肝心の大山は・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・

ジャジャーン。
一面の青空。
なのに。

大山上空にはしっかり雲が。
惜しい!
ただそのうち晴れるかもしれない。
昼飯でも食べながらのんびり待つ事にする。

手前の稜線がこれから歩く、白馬山への道だ。
見るからに霧氷たっぷりで楽しみ楽しみ。

ドローン出陣。
なんとか少しでも晴れているうちに。

東側の景色。
中央の一番高いピークが金ヶ谷山かな?
手前稜線の画面中央付近の鞍部から右へ登り返した辺りが白馬山山頂っぽい。

西側の風景。
ほぼフラットな稜線の先に西毛無山がある。
上空の雲量が増えてきている。
午後から曇り予報は正解となりそう。

今回は大山撮影用にくそ重い70-200mmレンズを持ってきたのでいろいろ撮ってみる。
こうして見ると、ブナの森の中に杉が点在しているのが分かる。

麓の田浪地区。

大きなブナの周りに木が無い部分を発見。
何故ここだけ?
伐採されたのだろうか?

いつものカップラーメンの昼飯を食べていると、あっという間に空色が怪しくなってきた。

photo by T

後から登ってこられたお姉さんの靴がTの靴と丸被り(^^)

待つ間に大山上空の雲もだいぶ減ってきた。
ただこの辺りから一進一退。
なかなかスカッとは全景を見させてくれない。

11:52 ゆっくり1時間頂上で過ごして、移動開始。
白馬山へ向かう。
上空にはなんとか青空が生き残っているが、本日は結局これが見納めとなった。
ゆっくりと分厚い雲に包まれ始める。

エビの尻尾。
これから真下を通過するけど、ドサっと落ちそうで怖い。

頂上から予想していた通りの素晴らしい霧氷の稜線。
アップダウンもそんなにないし、最高の道。
新緑や紅葉の時にも絶対来てみたい。

氷の量が多くてなのか、枝垂れ桜のように垂れ下がっている。
圧巻・・・
見惚れてしまう。

こんな景色がずっと続く。
毛無山といえば頂上からの絶景が一番の注目ポイントだが、それはそれで間違いは無いのだけど、この森もかなりアツいです、はい。

そして所々、大山を拝めるような展望がきくポイントもある。

ここでようやく南壁の全景をゲット。
雄大な山だ〜。
素晴らしい。
重くても200mm持って来ていてよかった。

photo by T

鳥取県側からも登ってこられるようだ。

photo by T

iPhone で動画を撮りながら歩いたりしていると・・・

photo by T

高確率でこうなります。
きゃあ!
山間に響き渡る、40おじさんの歓声。
自分で動画を見返してみるとその声が本当にキモい。

なんという事だ・・・
カタクリの群生まで見られるという。
なんて贅沢な稜線なんだろうか。
天国への道とはつまり、このような道だと思われる。

細尾根もあるけど、危険な感じはしない。

少し登り返すと・・・

13:02 白馬山(1060m)到着。
ブナの木々に囲まれた、静かな山頂だ。
展望はあまり効かない。

木々の間から最後の大山。
これから南へ降るので、見納めだ。

Tは大山を前に何か考え込んでいる。
山の事かと思っていたが、よくよく考えてみると、帰宅中、そして帰宅後の酒の事だと思われる。
全く不謹慎極まりない。

photo by T

うってかわって私はこの時、愛するもの全ての事を考えていた。
素晴らしい。
最高。

13:10 さて下山開始。
進行方向右側奥に毛無山の頂上が見えている。
さらば毛無山。

見えにくいけど、左側には土用ダム。

道は笹と雪で不明瞭。
テープもあまり見かけなかった。
ただただ先行者の跡を追う。
トレースが無ければ迷いそうな気がする。

鳥が何者かに襲われている。

photo by T

所々斜度がキツめな坂があり、慎重に降る。
慎重に降るけど、やっぱりこけます。
そのつど響き渡る歓声。
・・・
今回アイゼンは使用しなかった。

photo by T

13:45 最初の分岐まで戻ってきた。
無事下山。
濃密山行が終了。
最高でした、毛無山。
特に白馬山への稜線が最高。
豊かな自然林をこれでもかと堪能できる。
もちろん大山の展望台としても最高だった。
コース中に危険な箇所も無かったし、距離も2kmとお手軽なので、登山初心者の方にも十分お勧めできる。

帰り道から振り返る。
また絶対来ます、毛無山。
次は泊まりかな?
避難小屋でもいいし、麓の山の家も気になる。
では、またまた。




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