森の旅 

To the world where you've never seen.

不入山 奥槍戸から登る初夏の山登り

約7分


山歩き日 2020年6月7日

ついに!!
非常事態宣言も解除されたので、自粛で休止していた山登りにようやく行く事ができた。
前回の千本山から約3ヶ月ぶりくらい。
本当に久しぶりだ。
目星をつけたのは剣山の南、新九郎山、不入山周辺のお手軽コース。
本来なら石立山でほぼ決定していたのだが、久しぶりでいきなり石立山は厳しそうなので。
何せ自粛中もご飯は美味しいわけで。
お腹周りも確実に成長したわけで。
と言う事で、初めて訪れる山域である。
この辺りの山々は槍戸アルプスなんて呼ばれているらしく、その稜線からは次郎笈〜剣山〜一ノ森の豪華な山々を間近に見ながら、快適な山歩きが可能だという。
槍戸という名前もかっこいい。
楽しみ、楽しみ。

gogle mapで見る

登山口は奥槍戸 山の家から。
とにかくここにたどり着くのが一苦労。
同行するTをピックアップ後、阿波市山川から193号を南下、途中の剣山スーパー林道入口はスルーし、大轟の滝から295号を西に進む。
四季美谷温泉を通過し、295号終点からは看板に従い川沿いを更に西へ。
やがてスーパー林道へ出会うので左へ4kmで山の家だ。
とにかく遠い。

林道出合い。
ここを右へ行くと先ほどスルーした195号まで未舗装の林道を走ることになる。
距離にして40km。
我々が使った舗装路とどちらが早いかは分からない。
帰りに通ってみようかな?

9:40 ようやく奥槍戸 山の家に到着。
長かった、本当に。
家を出たのが4時だったはず。
途中の休憩なども除いても5時間は確実に運転した事になる。
登る前にすでに体力ゲージが半分ぐらいになった気分。
帰りの運転の事も考えるとすぐにでも背伸びをして横になりたい気分。
救いはこの晴れ渡った空と、雰囲気ありまくりな周囲の景色。

9:55 準備を終え登山開始。
山の家には登山口が2ヶ所ある。
北側は次郎笈への道。
そして南側が今回予定している不入山、新九郎山方面。

足元には黄色い花。
キリンソウ?

いきなり現れた苔むした、ブナの老木。
いいね。

しかしこの木を見上げている頃はまだ気付いていなかった。
開始数歩でいきなりルートミスをしている事に。

テープが全く無い&踏み跡らしきものも無いのを不思議に感じながら、とりあえず奥に見えている稜線を目指す。
新緑の黄緑色がきれい。

やがて森を抜けると地被が剥がれ落ち、樹木が枯れた場所に出た。

異様な風景。
崩れ落ちた白骨樹が辺り一面に散乱している。

10:21 どうやらトラバースすべき山の家のすぐ横の1646m峰に登ってきたみたいだ。
北に次郎笈。
頂上付近はガスに包まれている。

東側には目指すべき稜線。
あの稜線のどこかのピークが不入山だ。
とりあえずこの峰を巻いている正規のルートに戻らなくては。
東側斜面を真っ直ぐに降る。

少し降ると登山道に戻る事ができた。
すぐにベンチのある休憩所。
ツキノワグマの看板。
この辺りが四国で一番密度の高いツキノワグマの生息地となっている。
それでも多くて数十頭とのこと。
突然熊にハチ合わすのは恐怖でしかないが、遠目になら見てみたい。

緩やかに高度を上げながら新九郎分岐へと向かう。
進行方向奥には新九郎山越しに石立山が見えている。
画面中央。

豊かなブナの森。
大木も多い。
ブナの新緑は本当にきれい。

西側の展望。
一番奥の微かに見えている笹の山はおそらく西熊山。
その稜線、左側奥の三角山が天狗塚。
三嶺は手前の稜線に隠れて見えない。

振り返れば次郎笈の頂上ガスがもう少しで晴れそう。

Tも激写中。

有名な木のアーチ。
ネットで色々情報収集したけれど、みなさん必ずこのアーチを潜ってますね(°▽°)
もちろん我々も潜る。

木陰に吹き込んでくる風が涼しくてめちゃくちゃ気持ちがいい。

いよいよ新九郎山が近づいてきた。
分岐はもうすぐっぽい。

11:10 やがて一面草原と化した新九郎分岐に到着。
芝生のような草に一面覆われている。

そばには立派な千手観音ブナ。
めちゃくちゃ大きい。

樹齢はどれくらいだろう?
ブナの寿命は大体200〜300年くらいらしいけれど。
この雰囲気で若木や成木になりたてってことはないだろうから、やっぱり最低でも150歳以上かな?
たくさんの人が同じようにこの木を見上げて休憩したんだろう。

休憩もそこそこに東へ進路を取り不入山を目指す。
当初予定では新九郎山にも行くつもりだったけど、時間が厳しそう。
何せ下山後も家までは5時間の道のりが待っている・・・

樹木越しに次郎笈。
ついに頂上のガスが晴れたようだ。

痛々しい白骨樹。
Tが密かに映り込んでいる・・・

目指す山頂は中央のポツンと木が一本立っているあのピークだろうか?

道中何本かミツバツツジを見かけたが、残念ながら一足遅かった様子。
痛んだ花がらばかりで、もう一週間早かったら満開の姿を見られたと思う。

残念〜。

しかし明るい黄緑色の若葉が花に負けないくらい綺麗で可愛らしい。

次郎笈と赤い屋根が目立つ山の家。
どんどん視界が開けてきた。

こんもりお椀型の稜線を進む。
痛々しい場所が多い。
昔は笹藪に覆われた山だったらしい。
鹿の影響でこんな姿に。
おかげで我々にとっては歩きやすくなったし、展望も得られるようになった。
でも何か複雑な気分。

ついに剣山系全体が目の前に。
左のピークが次郎笈。
中央左寄りが剣山。
その稜線右奥が一ノ森。
その手前のピークは槍戸山。

反対側南西方向の展望。
大きく崩落している山が新九郎山。
中央奥が石立山。

ふと足元にはバイケイソウが花を咲かせようとしていた。

だんだん暑くなってきた。
最後の登り。
というほどの登りではないけど^^;

12:20 不入山(1653m)に到着。
見渡す限り360度の大展望。
何も遮るものがない。
眼前には剣山。
素晴らしすぎる。

東側、徳島市方面の展望。
この辺の山々は全く知識がない。
この稜線を進むと久井谷山、権田山へ続くらしい。
もしかして剣山から周回できたりするのかな?

分岐のあたりから見えていた、ポツンと一本木。
やはりここが頂上だった。

新九郎山の大崩落。
昭和51年の台風17号に伴う大雨によって発生したようだ。
44年経っても下草も生えない状態。

鹿の食害による不入山頂上。
笹や下草が食べ尽くされ、地肌が剥き出し。
こんな状態では素人目にも大雨に弱いと分かる。
貴重なブナの森の稜線が本当に心配。
一度崩落すると新九郎のように同じ状態に戻るには気の遠くなる年月が必要。
というか元に戻るのか?

photo by T

のんびり読書・・・風の写真^^;
実際は時間ないし、日差しが眩しすぎて目がやられてしまう為ものの数分で終了・・・
サングラスがいるね。
しかし贅沢な読書スペース。
ここで泊まってのんびり過ごしたい〜〜(´∀`)

頂上でランチの予定だったけど、時間も差し迫っているし、何より山の家が気になるのでそのまま下ることに。
見納めです。
さらば、最高の展望稜線。

帰り道はもちろん正規のルートを進む。

photo by T

登りでルートを誤ったポイントに到着。
ここを直進したのが間違い。
左へ巻道は伸びている。
本当登山口から10歩ぐらいの位置^^;

13:55 山の家まで無事戻ってきた。
ETが木陰で休憩中。

いろいろあるね。
ドライカレーカレーなるものが気になる。

けどやはり。
山といえばカツカレーでしょ!
こんな山奥でこんなご馳走が!!!
実は今回の山旅で一番テンションが上がったかもしれない。
いや上がった↑↑↑
ごちそうさまでした!!

一角が座敷スペースになっている。
気持ち良さそう。
真夏にスイカ食べてここで昼寝したい〜
うちわで仰ぎながら〜
ゴロゴロ〜〜

14:30 住み着いてしまいたいぐらい居心地の良かった山の家を後にし帰路に着く。
さてこれからもう一山登る気分。
帰路はスーパー林道を進むことに。
舗装路まで40km。
気が遠くなる・・・

15:55 川成峠に到着。
ようやく中間地点。
しかしこういう道はやはりジムニーいいね。
楽しい。

徳島のへそなるポイント付近。
遥か遠くに見えている街並みは徳島市。
この後の写真が全くなし。
よろよろになりながらようやく自宅にたどり着いたのが20:00。
結局5時間オーバー。
本当に運転に疲れた。
槍戸アルプスは非常に魅力的な山が多いが、難点はこのアクセスの厳しさだ。
けどそのおかげか人が少ない、静かな山旅が可能。
山の魅力度だけで言うと大木だらけのブナの森、展望の素晴らしさ、危険度の少ない道など隣の剣山周辺の山々にも決して負けていない。
麓の山の家も最高だし。
機会があればぜひみなさんも訪れてみて下さい〜

やはり山は最高。
では。




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