森の旅 

To the world where you've never seen.

雨ヶ森 急登地獄の先に待つ美しい森と大展望

約7分


山歩き日 2021年5月3日

今回のお山は高知県仁淀川町にある標高1390mの【雨ヶ森】。
ワタクシ、初めてお目にかかるお山である。
実は以前から行きたいと思いながらなかなか重い腰を上げれずにいた山の一つ。
なにせ頂上までの距離は2km程度と短いのだが、標高差が900m近くもあり、登り始めからずっと永遠に急登が続くとの情報があったから。
ワタクシのような、できれば自動的に、例えば寝て起きたらいつの間にか頂上だったぐらいでも全然山を楽しめる自信があると思っている不届きライト登山ユーザーにとっては、否応なしに日頃の怠惰生活の代償を突きつけられる山と思われた。
だが今回。
せっかくのGWもコロナ禍の影響で遠征などは厳しくなり急遽白羽の矢がたったという次第。
果たして高知で1、2を争う厳しさで有名なこのお山を無事登り切ることができるのだろうか。
いざ出発である。

動画もどうぞ↓↓↓

登山口

雨ヶ森には登山道が3つぐらいあるらしい。
今回は一番有名だろう、岩柄からのルートで行ってみることに。


Googleマップでは足山の滝を目印に検索すると分かりやすいと思う。
国道439号から山村レストラン【よさくらぶ】脇の橋を渡ると商店街へ突き当たるので右折。
道なりに商店街を進んでいると二股の別れに出会うので左へ。
商店街を抜ける分岐に出会うので左へ。
土居川沿いにどんどん進むと、岩柄への看板が出てくるので、そこを右折。
かつては雨ヶ森の頂上にあったという岩加羅神社の脇を通過し、やがて出てくる分岐を右へ。
看板もある。
道なりに進むとカーブミラーの分岐へ出会うので左へ。
あとは道路の終点が登山口だ。
数台止められる広場となっているが、近くの集落の方も生活されているので邪魔にならないように。

入山

8:30 準備を整えて出発。
天候は快晴。
【雨ヶ森】へ登るのにいささか申し訳ないくらいの大快晴だ。
なんかすいませんと心の中で呟きながらスタートだ。
駐車場には先行者だろうか、車が一台。
そして我々が準備中にもう一台到着。
マイナーな山を選んだつもりだったけど、やはりGWの影響だろうか。

まずは植林帯の中を進む。
趣のある石垣がたくさんある。
前回の御在所山もそうだったけど、こんな人々の生活と密接に結びついた山が好きですな。
低山最高。

雰囲気なかなか良い。
綺麗に積んだもんだなぁ。
ヘビ出そうだけどね。

予想通り、というか情報通りの最初から登り一辺倒の道。
すぐにヒーハーヒーハー状態。

やがて水量控えめな滝が姿を見せる。
今回のルートは沢沿いを進む道。
調べによると、渡渉やいろんな滝が現れて楽しませてくれそうだ。

やはり杉林の中は暗い。
それでも不意に樹間から差し込む光がきれい。

やがて自然林がボツボツ姿を見せ始める。
黄緑の新葉が太陽の光を浴びて輝いている。
いや大袈裟ではなく、本当に眩しいくらい。
いいね、若いというのは・・・
ワタクシぐらいのTheおじさん最前線のポジションに立つ身としては本当にため息しか出ない。

ちょっと平坦な場所もある。
ただ、本当にほんのちょっとだけ。
基本登って登って登っての登り金太郎飴状態。
伝説の星一徹のようにビシバシ追い込んでくる。

急登に喘ぐ戦士を癒す一輪のお花。
名前は存じ上げませぬが、助かります。

沢沿いの豊かな自然林

やがて沢に出た。

美しいですな。
ただただそうとしか言えませぬ。

ツヤツヤ感満載な沢水。
なんでだろうか、凄い艶を感じる。
油絵みたい。

沢の近くの葉っぱの上で虫も一休み。

ちょっと珍しい株立の木。
素直にスッと伸びている。
ワタクシもちょっとは見習わなくてはならない。
この実直な素直さを。

今度は青っぽい花。
相変わらず名前不詳。
それにしても登山前のリサーチでは花が結構咲いているとの情報を得ていたが、今日はそれほどでもない。
少し遅かったみたいだ。

それにしてもまだまだずっと登っている。
正直本当に疲れてしまう。
その上急傾斜地のザレ場トラバースや、ルンゼの横断、沢の渡渉、プチ沢登りなど一瞬気が引き締まるポイントが点在する。
しっかりした準備と装備、そして慎重な行動が必要だ。
ただしルートとしては赤テープが豊富にあるので迷う事は無いはず。

鬱蒼とした森の中を進む。

もうね、ため息しか出ない。
最高の森だ。

沢もいよいよ最上流域まで来た感じ。

麒麟草??
おそらくそうだと思うけど・・・
いいかげん花の名前も覚えたい。

巨大な岩屋

やがて岩屋に到着。
今まで見てきた中で最大級の大きさ。

かつては頂上に社があったらしいのだが、いつの頃かこの岩屋に遷宮されたという。
それでもまだまだここまで登るのも大変な労力が必要だったため、さらに遷宮され現在の岩柄集落の中で守られている形となったようだ。

十数人はゆっくり入れるぐらいの広さはある。
ちょっと不気味だからゆっくり休むなんてできそうに無いが・・・

岩屋を出るとすぐ稜線に上がった。
吹き抜ける風がヒヤリとして気持ちいい。

シロヤシオ。
満開の一歩手前かな。
望遠レンズがあれば良かった・・・

そして今日一の難所。
分かりずらいけど左側は崖となっている。
右へも巻けない為どうしてもこの岩を登る必要がある。
幸い足場もしっかりあるので左下を見ないように慎重に進めば問題はなかった。
しかし雨の日や冬季は怖そう。

大展望の雨ヶ森頂上

そして遂に頂上到着。
本当に長かった・・・
目の前には石鎚山系の大絶景。
素晴らしい。
右奥の尖った山が石鎚山。

灌木の奥、モコっとした山が手箱山、そして筒上山への稜線。

西側の展望。
中央やや左奥の三角錐が中津明神山。
ここもまだ登ったことがないな。

もちろんここで昼ごはん。
今日はお手軽コンビニおにぎりセット。
こんな絶景の中で食べると何倍も美味しく感じられる。
山頂には先行の方が3人、後からさらにソロの方と2人組の方がどんどん到着。
道中我々をズバッとオーバーテイクし、さらにあっという間に折り返してきた2人組の方もおられたので、今日の雨ヶ森は大盛況だ。

下山開始

ゆっくり休憩した後は下山開始。
急傾斜にスリップしまくりなワタクシ。
いやはや下りになっても星一徹のシゴキは全く止まらない様子。
自慢のGW仕様の探検家コーデに泥汚れをプレゼントしてくれた。

下山は頂上で出会ったソロの方と一緒に。
結構いろんな山に登っているらしく、羨ましい限りです。
どんどんいろんな山へ行きたい〜

下りでも写真、動画のフル回転。
一向にペースは上がらない。
しかし、何回も言いますけれど、本当にいい森です。

自然林を抜け、植林帯に入る。
登山口はもうすぐだ。

登りで見かけた滝まで降りてきた。
ちょっと近寄ってみる。
岩肌に太陽光が入り、いい感じ。

せっかく三脚も持ってきていたので長秒露光でちゃんと撮ればよかったと後悔中。

最後にちょっと寄り道。
足山の滝を見に行く。
展望広場まで若干登り返しが必要。
ここにきての登りとは、これも一徹の最後のシゴキか。
ワタクシの人間としての尊厳を奪いとるには十分すぎる追い込みだ。
ヒーハーヒーハー、ヘロヘロで到着。

落差約60m(40m+20m)の段爆との事だが樹木が張り出していて全容がつかみにくい感じ。
後で調べて判明したが上部の滝の落ち口まで行くこともできるらしい。
ちょっと怖そうだが見てみたい気もする。

かわいらしい。

無事下山完了。
ソロの方に教えてもらったシャクナゲを見に行く。
傷んでいる花が多かったけど、つぼみが多数。
まだまだ咲きそうだ。

麓の集落から山頂方向を。
中央奥が山頂かな。
噂どおり急登続きのなかなかハードな山だった。
ただ特殊な技術を必要とするような危険な箇所はなく、慎重に進めば問題ない所が多い。
でもあくまでそれは晴天時に限っての場合。
どうしても沢沿いのコースなので雨天時は厳しさが増すと思う。
また冬季もしっかりした装備が必要になるだろう。

初めての雨ヶ森登山は総じて楽しい山行となった。
確かに辛い、辛いけどコース自体はいろんな要素に満ちていて本当に楽しい。
被写体もあちこちに散りばめられていて、撮影が忙しい。
多分、リピート確定山ですね。
時期を変えてまた来てみたい。
それでは敬意をこめてこう叫ぼう。
一徹、ありがとうと。

ではまたどこかの山で。





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