森の旅 

To the world where you've never seen.

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塔ノ丸〜丸笹山 絶景指数120%!!霧氷と笹原の大展望ルート

約11分


山歩き日 2019年2月10日

今回の山旅の舞台は徳島県の塔ノ丸、丸笹山。
日本100名山で有名な、剣山の北側にそびえる山だ。
両方とも頂上からの展望が素晴らしく、またルートも簡単で気軽に登れるという。
今回も同行はT。
雪が少ない四国の中でも”豪雪地帯”で有名なこの地域。
超が付くほど久し振りの雪山ハイクとなりそう。
めちゃくちゃ楽しみである。
天候は晴れ→曇り。
少し心配。
前半勝負かな?
とにかく行ってみよう。

今回の登山口は剣山スキー場から。
徳島道美馬インターを降り、吉野川を渡り貞光へ。
そのまま国道438号線を南下する。
この道は最終的には剣山の登山基地である見ノ越へ接続している。
冬季にはチェーン、もしくはスタッドレスが必須である。
その道中に剣山スキー場がある。
残念ながら2007年から休業中らしい。
リフトは動いていないし、人影もない。
不気味な静けさが辺りを包んでいる。
その割に看板などが新しいと思っていたら、なるほど現在は無料開放されているらしい。
ただし係員などは常駐していないので、完全に自己責任となるようだ。

駐車場には先行が2台駐車中。
積雪は少なそうだが、今回はアイゼンを装着。
久しぶりすぎて装着に手間取ってしまう(^^;;
しかし楽しい。
すでに楽しいぞ、雪山!!
サクサク、サクサク。
雪を踏みしめるアイゼンの音を聞いているだけでヨダレものである。

8:58 装備を整え、いざ出発。
まずはゲレンデを直登する。

喜び勇んで出発した我々を待ち構えていたのがこの風景である。
先ほど一瞬覗いていた青空は秒速でその姿を消し去り、いつものホワイトスモークが我々を包み込む。
やはり、やはりそうなのか・・・
ほぼ1ヶ月ぶりのまともな休日にようやく訪れることができた雪山でこの仕打ち。
ここで勃発する、どちらの日頃の行いが悪いのか論争だが、今回私の中では決着している。
Tに違いないのだ。
間違いない。
今朝の星座占いでは私の乙女座が1位だったのだから。

しかし、捨てる神もあれば拾う神もあり。
時折青空が覗く。
押し合いへし合いの空模様。

やがて山頂駅に到着。
もちろん誰もいない。

どうやらラビットコースを登ってきたようだ。
9:42 ここから本番。
いよいよ稜線に向けて自然林を直登する。
明瞭な登山道などはないのでなるべく歩きやすい所を進む。

これがなかなかしんどいのなんのって。
想像以上に斜度があり、手を使いながらよじ登るような所、緊張感を伴うトラバースポイントもあった。
じっくり写真を撮る余裕なし。
上の写真は稜線間近で幾分斜度が緩くなった地点でのもの。
積雪は少なかったがアイゼン無くしては登れなかったと思う。

10:19 ようやく稜線に到着。
正規の登山ルートに合流する。
スキー場の駐車場から距離にして約900m、高度250m登るのに、約1時間半かかった。
たるみにたるんだこの体にはなかなかハード(°_°)

しかし相変わらずのガスガス世界。
何も見えない。
南側には剣山〜三嶺へ続く黄金の稜線が眼前に広がっている筈なのだが。

まあそのうち晴れてくると信じてまずは塔ノ丸へ向かう。
東西に伸びる稜線を西に向かうと塔ノ丸、東へ向かうと夫婦池経由で丸笹山だ。

ここからはなだらかな稜線歩き。
時折吹き抜ける風は大変に冷たいが、登山道自体は快適。
土佐矢筈山から小檜曽山への道に似ているが、あそこよりは幾分スケールが小さく、その分岩や樹木が適度な距離に配置され、ちょうどいい感じ。

凍てつく森。

なにか凄いことになってしまっている。
寒いろうねえ。

ここにきて天候が全く回復しないのでついに彼が動き始める。
道中で発見した、”手頃な”岩を見つけ、高度感を出してカッコよく撮れと命じてくる。
身の毛もよだつような凍結した断崖絶壁で、成し遂げた感満載で立つT。
だがその実、この写真のすぐ下はフカフカの笹原となっている。
ほんとにすぐ真下、カメラを下に5cmぐらい傾けると地面が写り込んでしまうぐらい。
いったい何故こんな山でピッケルが必要かと思っていたが、この為だったとは。
撮影の為だけのピッケルだと真顔で答えるあたり、彼には彼なりの哲学があるようだ。

やがて眼前には雪の吹き溜まりが出現。
ザクザクシャーベット状だ。
するとここでも彼が動く。

真っ平らな雪原でいきなり土下座を始めたかと思うと、マッターホルン北壁を登攀しているように撮れと命じてくる。
私は慌ててカメラを斜めに構え激写する。
ホワイトアウトが作り出してくれた奇跡の一枚。
四国の片田舎の山でこんな写真が撮れるとは。
彼も満足だろう。
悪天候に感謝である。
しかし彼の土下座の所作はなかなか手馴れていて見とれてしまった。
やはり日頃の行いの悪さから普段の土下座率も随分高いと想像する。

photo by T

その後もひたすら笹原に伸びる一筋のホワイトラインを辿っていく。
途中下山する5人組と遭遇する。
先行の車の方達だろう。

やがて下降ポイントへ到着。
一旦少し降り、そして登り返すと塔ノ丸頂上だ。
相変わらずガスに覆われている。

登り返し。
トレースを追う。

完全凍結の森の中を進む。
この中ではまるで時が止まったかのよう。
何一つ音がしない。
我々のサクサク音が響くのみ。
そのわずかな振動をキャッチして枝からはらりはらりと粉雪が舞う。

やがて森を抜け笹原へ出る。
あと少し。

11:29 塔ノ丸(1713m)頂上に到着。
遮るものは何もない。
晴れていれば正真正銘360度の大絶景が広がっている筈である。
残念だと思っていると・・・

おおっ!!
ここにきて青空登場!!

photo by T

感動に打ち震える左肩下がりの私。

素晴らしい乙女座パワー。
いやもしかすると先ほどのTの土下座が良かったのかもしれない。
とにかく頂上で急に晴れたのである。
徐々に姿を現す剣山〜三嶺稜線。

しかしまだまだ完全には程遠い。
剣山はまだすっぽりガスの中だ。

11:35 丸笹山へ向けて移動を開始する。
さらば塔ノ丸。
登ってきた道を引き返す。

明らかに天候は回復基調。
ガスが晴れる間隔の方が多くなってきた。
天気予報では晴れのち曇りだったのでこれは嬉しい誤算。

12:09 順調に道を戻り、スキー場からの合流地点まで戻ってきた。
相変わらず東方面はまだまだガス祭り。
ここでランチ休憩。
登山道沿いの見晴らしのいいポイントでお湯を沸かす。

暖まります(^ ^)

ラーメンを食べているといよいよ青空が勢力を増し始めた。
太陽光を浴びて光り輝く霧氷の森。
いい感じ。

弱くも確実な太陽の熱は徐々に笹についた雪を溶かしてゆく。

ここでしばらく待ちの体勢。
向かいの剣山の頂上にかかっているガスが晴れることを祈る。

どれくらい待っただろうか。
ついに剣山のガスが晴れた。
画面左のピークがこれから向かう丸笹山、中央が剣山、そしてその奥、端正な姿の次郎笈。
素晴らしい眺め。
待った甲斐があった。

13:15 とりあえず次いつガスってもいいように証拠写真は撮る事が出来たので出発する。
振り向いてパシャリ。
ちょうど小高い丘の上が休憩ポイントだ

ここから丸笹山登山口がある、夫婦池までどんどん下る。
すっかり天候も回復し、素晴らしい絶景の中の稜線歩き。

最高だ。

例年に比べて雪は少ないのだろうけど、逆にそれがいい味を出している。
好きです、この風景。

振り向くと画面中央、先程登った塔ノ丸の奥に三嶺が出現。

Tがあまりの絶景に立ち尽くす。
広角レンズの為、写真では小さく見えるのだけど、実際はもっともっと大きく感じた。
あんなに離れているのにもかかわらず。
やはり三嶺は特別だな。

photo by T

私もあまりの絶景に立ち尽くす。
剣山&次郎笈もいいね。
そして私は左肩さがり。
姿勢悪いな・・・

遠かった剣山もだいぶ近づいてきた。
ここで一旦お別れ。
笹原の道は樹林帯の中へ潜り始める。

霧氷の素晴らしい森。
青空ひとつで寒々しい森も少し暖かく見える。

もちろん見上げてしまいますよね。
やはり青空によく合います。

樹林帯に入り、トレースとテープを頼りにどんどん高度を下げていく。

なぜか下っているのに直登している我々。
どうやら途中でルートが稜線上の道とトラバース道の2手に分かれていたようで、何も考えずにトレースを追っているとトラバースルートへ進んでしまったのだ。
登山口も若干ずれるので急遽ルートチェンジ。
稜線へ戻ることに。
ここもまずまずの斜度で、何気に撮影用のピッケルが活躍している。

やがて稜線上ルートに復帰。
霧氷の木漏れ日の中を進む。
本当に贅沢なひととき。
いいんでしょうか??

象の鼻のようだ。
よくこんな態勢でバランスが保てるな。

やがて登山口へ到着。
国道438号線に出合う。
夫婦池はすぐそこだ。

完全凍結(たぶん)した夫婦池(雄池)。
その奥に丸笹山の頂上が見えている。

確かに凍っているが厚みは数センチ程度。
池の中央までは行く勇気はないな(^^;)
ここで小休止。
コンビニで買ってきていた菓子パンで栄養補給。
予定時間よりだいぶ遅くなっているので丸笹山をどうするか・・・
帰りの林道歩きもある事だし・・・
しかし今日みたいな好条件はめったにない。
特に我々にとっては、である。
やはり登りたい。
15:00 出発である。

いきなりルートを誤る我々。
正規の登山口があるにも関わらず、斜面をトラバースしながら稜線に上り詰める。
今日はこんなのばっかだ。

それでもやがて正規ルートに合流。
霧氷の森を進んでいく。

やがて灌木のトンネルに突入。
今日は何度も最高!っと叫んでしまう。

やがて森を抜け、眼前には笹原の大展望が。
言葉が出ない。
いや嘘。
いいね、最高だよっと撮影しながら変態おやじ風のつぶやきが止まらない。

あわれもない姿の剣山&次郎岌。
すいません、この構図の写真が今日はいっぱい出てきます。

さらに上り詰めて頂上まであと一息というタイミングでTの動きが止まった。
まさかの詐欺写真要求かと思いきや、なんと。

目の前に鹿の大群。
でも写真上では米粒より小さい!!!
残念ながら今日は広角レンズしか持ち合わせていない。
朝天気があまり良くなかったので、望遠の神レンズを車へ置いてきてしまっていたのだ。
鹿の方もじっとこちらをうかがっている感じ。
その後そそくさっと走り去ってしまった。

photo by T

Tのカメラでも撮影出来ていた様子。
立派な角を持つ雄鹿が写っている。
しかし彼のカメラも広角単焦点。
むむむ。

とりあえず無理やりトリミングしてみた。
画像劣化にはご容赦を。
やはり油断してはならない。
せっかくのチャンスを逃してしまった。
そもそも私の登山はカメラありきのスタイル。
その目となるレンズはいつでも肌身離さず持たなくてはならない。
次回への反省点。

15:57 気を取り直して丸笹山(1711.6m)頂上着である。
塔ノ丸同様、こちらも北側一部を除くほぼ360度の大展望。

まずは南側の剣山&次郎岌。
今日何回撮ったことか(^^;

南西方向、次郎岌~三嶺への稜線。

西側正面には先程登った塔ノ丸、三嶺。

北西方向、矢筈山、阿波のマッターホルンこと黒笠山。

北東方向、赤帽子山。

東側、平家平、天神丸、高城山。
素晴らしすぎる。
大満足。
このまますぐ下山するのはもったいないだろうな絶景。

エビの尻尾というか、エビの天ぷらだねこれは。

どこまでも深い青に、真っ白な霧氷。
最高の組み合わせ。
なにかに似ていると思ったら、そうだサンゴ礁だ。

しばらく待っていると徐々に光が落ちていく。

いい感じ。

またしても鹿が出現。
警戒心が強い彼らは随分距離があるにも関わらず、私がカメラを構えるだけで反応して逃げていく。
それにしても凄い頭数。
今日はトータル20頭は見たんじゃないかな?
道中鹿よけネットを巻かれた木々がたくさんあったが、成る程と思う。
三嶺~剣山周辺は四国内でも鹿被害の厳しい地域。
カヤハゲのようにはなってほしくない。

17:05 さすがに山の中で真っ暗闇は厳しいので後ろ髪を引かれつつ下山開始。

photo by T

いよいよ見納め。
本当に今日は剣山に何回カメラを向けたことか。

塔ノ丸、そして三嶺の裏へ太陽が沈む。

森に入っても絶景指数は変化なし。
最高のままだ。

だから、やっぱり見上げてしまいますから。

いよいよ太陽が沈む。
先を急ぎたいのだけれど撮らずにはいられない。

不意に開けた場所に出た。
矢筈山方面が赤く染まる。

17:42 登山口着。
本当に大満足の山旅は終了。
・・・
いや最後に林道歩きが残っていた(^^;

痺れる林道歩き。
やっぱり締めはこれに限る( ノД`)シクシク…

18:21 すっかり夜の帳が下りた頃、スキー場に到着。
こうして長かった山旅が終了。

今回の塔ノ丸〜丸笹山は楽しすぎた。
大好きになりました。
ガイドブックなどには夫婦池からそれぞれピストンするルートが紹介されているが、高低差もそれほどなく、距離も短いので少し侮っていたところはあったのだが、やはり山の魅力はそんなんじゃ推し量れない。
好条件が重なった今回の山旅は、今までの山旅の中でも確実に上位にランクされるぐらい満足度が高かった。
なので写真の数もこのブログの歴代の記事の中では一番多い^^;

今回変則気味にスキー場からスタートした我々だったが、オススメはやはりそれぞれ夫婦池からのピストンかな。
稜線伝いに正規ルートで行くと安全に、そして天気さえ良ければずっと絶景を楽しみながら歩ける。
ただ今回は雪が少なかったが、例年ならばかなりの積雪がある地帯。
冬季ならば最低限の装備は必要です。

しかし山はやっぱり最高ですな。
では。





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