森の旅 

To the world where you've never seen.

稲叢山 午後から登る、お手軽ハイキング

約6分


山歩き日 2020.2.24

今年の冬は本当に暖かい日が続く。
四国の山は例年に比べてかなり雪が少ない状態。
ただでさえ短い四国の雪山シーズン。
なんとかちょっとでもいいので雪を感じたくて山へ向かう。
目的地は伊吹山。
某車のCMで有名な絶景林道、UFOラインから登るとわずか数分で登れる山の為、日頃はあまり登山対象にはならないみたい。
ただ冬季は林道が閉鎖中なので、高知県側の白猪谷から登るとまずまずの行程となる様子。
今シーズン最後になるかもしれない雪山を堪能し、見晴らしの良い頂上から冬季石鎚をカメラに収める。
いざ、出陣である。

11:30 朝一の仕事を終え、なんと1時間の遅刻で待ち合わせ場所の道の駅【木の香】に到着した私。
須崎で仕事だったのだが、何を思ったのか津野町の方へ車を走らせてしまい、慌ててUターン。
約15分のタイムロスに繋がった事を彼は知らない。
さらに越知町の分岐で間違って高知市へ戻る方へ舵を切って再度Uターンとなってしまった事も彼は知らない。
この秘密は墓場まで持ち込まねばならない。
Tよ、すまん。
さらに道の駅の土産売り場のラーメン看板に誘惑される我々。

よっていきやと言われては致し方ない。

味噌ラーメン。
ラーメンをすすりながら、この時点ですでに登山というテンションではなくなっている自分を発見。
この後さらに仕事の電話の追い討ちで15分停滞。
道の駅を出発したのが12:30前。
まだ登山口まで1時間ぐらいかかる予定。
早出早戻りが基本の登山でこれは痛い。
なので。
急遽予定変更。
少しでも登山口が近い稲叢山へ予定変更。
大橋ダムを並走している194号線の本山トンネル横から看板に従い進む。
登山口少し手前が凍結気味だった。
道自体はしっかり舗装されている。

13:05 トンネル横の登山口(1322m)を出発。
全く雪はない。

13:13 あっという間に稜線のコルの分岐(1370m)へ到着。

右へ行くと西門山という山へ行けるみたい。
コースタイムで約1時間との事。
山頂は雑木林に囲まれているらしい。
今日は時間も時間なので、直接稲叢山へ向かう。

この辺りでようやくひっそり生き延びている雪を発見。
なんとか頑張って欲しい。

稜線の南側をトラバース気味に進む。
自然林の気持ち良い道。

つい見上げてしまう、モミの大木。

やがて大きな鉄塔の足元へ到着。
周囲の木々が切り取られ、展望が良い。
左奥の一番高い山が石鎚山。
中央に瓶ヶ森、そして伊予富士、桑名峠のコルを挟んで寒風山。
本当ならあそこの稜線から石鎚を眺めていたはずだ・・・。
しかし、雪ないね。

左奥には目指す稲叢山頂らしきピークが見えている。

所々に鉄製の橋が架けられている。
どれもしっかりした物で、安心して渡る事ができた。

photo by T

本当に春山の雰囲気。
二月だとはとても思えない。

この辺りが今回の山旅で一番雪が積もっていたポイントかな。

13:45 やがて四差路の分岐(1430m)へ到着。
稲叢山頂、ダム湖、滝めぐりコースへの分岐ポイントだ。
今回はそのまま山頂を目指す。
時間がない。

写真の撮り方がヘボすぎてよく分からないけど、苔の石壁の一部が凍っている。
陰地だし、常時湧き水がゆっくり流れ出ているのだろう。

四差路からはいよいよやせ尾根に乗る。

今日一の難所と呼ぶにはもったいない難所。
一応ロープがセットされているが、使わなくても全然登れる。
凍った時用かな?

アケボノツツジと思われる木枝の向こうに石鎚山系が見えている。
花が咲いたら素晴らしい写真が撮れそうだ。

シャクナゲの森。
うーむ、この山は春先に訪れるべき山ですな。

photo by T

しかし、暑い。
一体気温は何度なのか分からないけど、2月の山の温度ではない。

いよいよ頂上直下まで到着。
あの岩のコブの上が頂上らしい。

14:09 稲叢山山頂(1506.2m)に到着。
切り立った南側の絶壁の上からは大絶景が広がる。
もう50cm踏み出せば、いつもの詐欺写真ではない、本当の高度感を伴った写真が撮れるのだが。
Tも、そして私にもそんな勇気はない。

中央が石鎚山。
左奥が二ノ森。
手前左側のとんがりコーンが岩黒山。
南斜面にうっすら雪が見える。

石鎚より右側。
奥の中央左のなだらかな丘が瓶ヶ森。
その右側、とんがりコーンが西黒森。
手前左側より、自念子の頭、中央が東黒森、右側のゴツゴツが伊予富士。
西側の展望は喬木に遮られ気味。

眼下には大橋ダム。
なんと吉野川らしい。
あの、徳島県から紀伊水道へ流れ出ている四国の一級河川だ。
調べてみると、源流は瓶ヶ森との事。
全く知らなかった。
こんな遠くから。
流路延長194km。
ずいぶん長く感じるけど、日本一の流路延長367kmを誇る信濃川の約半分。

おっと、また頂上看板を取り忘れる所だった。
稲叢山(1506.2m)。

南東方面。
実は分かりにくいけど、太平洋が見えている。
そして浦戸湾にかかる、浦戸大橋も。
直線距離にして約30km。
意外に近いのね。

黄昏る背中汗じみ男。
それにしてもこの頂上は本当に気持ちがいい。
いつまでも居たくなる。

14:50  結局昼ごはんも持って来ていたけど、食べずに下山開始。
登り始める前に食べたラーメンが効いている。

シャクナゲ越しに笹ヶ峰〜平家平。

もちろんブナの芽吹きはまだまだ先の話。
けど今から楽しみ楽しみ。
あの優しい、黄緑色の森。

photo by T

鉄塔まで戻って来た。

石鎚山系もいよいよ見納め見納め。

photo by T

15:38 登山口へ無事下山完了。

登山口近くの陰地で立派な氷柱を発見。
すげー。

結局今回は私の遅刻に始まり、雪もなく、予定していた感じとはずいぶん違ってしまったが、それでものんびり歩けて良かった。
稲叢山は今回は断念した周回コースもあり、平家伝説の残る洞窟や、沢沿い歩き、滝が数カ所見る事ができたりと見どころは沢山ある。
さらに春先のアケボノツツジやシャクナゲ、初夏のオオヤマレンゲなど花が楽しめるみたい。
ブナも多かったので紅葉も良さげ。
近くに笹ヶ峰〜寒風山、伊予富士など四国を代表する山が存在するので、なかなか稲叢山を登ろうとはなりにくいけど、お手軽ハイキングにはうってつけです。

さて次回。
そろそろガッツリ系でいきたいところ。
では、また。




Leave A Reply

*
*
* (公開されません)