森の旅 

To the world where you've never seen.

寒峰 圧巻の霧氷の森歩きルート

約8分


山歩き日 2018年1月14日

先週は全国的に寒波到来の影響を受けて、気温の低い日が続いた。
ここ四国高知市平野部でも滅多にない-3度を記録した日もあったりして、否応無しに雪山への期待を膨らませながら迎えた週末。
今回は徳島県三好市にある、寒峰という山へ行って来た。
標高は1604.6m。
3月頃に咲く福寿草の群生で有名だ。
頂上からは360°の大展望との事。

登山口は2つ。
南側の住吉神社からのルートが一般的なようだ。
福寿草が見えるのもこのルート。
距離も短く、ほとんどの人がこのルートで登るのではないだろうか。
もう一つ、東側の落合峠から前烏帽子山を越えて稜線伝いに縦走するコースもある。
ただアップダウンも結構あって歩行距離も長く、夏道でも結構シンドイらしい。
今回は迷わず、南側からのルートを選択した。

登山口へは大歩危から東進し、東祖谷下瀬を目指す。
東祖谷小学校が見えてくると下瀬集落だ。
ここにある下瀬トンネルの手前で看板に従い右へ入る。
すぐ左側へ折れて粟枝渡方面へ北上する。
しばらく行くと住吉神社に着く。
本来ならここに駐車して、境内の裏を登り始める。
しかし今回は、神社をそのまま通過し、その先で建設中の林道方面へ180°ターン。
林道出合登山口まで車で向かった。

8時20分、路肩に駐車し林道出合登山口(1000m)を出発。
駐車した林道からは、これから向かう寒峰がくっきり見えている。

画面一番左側のピークが頂上だ。
白く輝く頂上と霧氷の森にイヤでもテンションが上がる。
しかも何と青空のおまけ付き。
日頃の行いが悪すぎると話題のTが一緒であるにもかかわらず、だ。
なぜだ??
ほとんど奇跡に近い。

南側に目をやると、朝日と共に三嶺を含む剣山系が一望できた。
すでにこの辺りが一級のビュースポットだ。

ここが登山口。
まずは狭い階段を登る。
スタート時点でアイゼンは装着した。

先行するT。
今回の装備も何だか少しおかしい。
彼は前回、すべての山道具を忘れてくるという強制UL化した装備で登っていたが、何と今回はまさかのそり持参だ。
しかもそれを引きながら登るという。
登り始めは植林帯。
雪もまだまだ浅く、登山道には木の根や岩など障害物が顔を覗かせている。
もちろんその度にそりは引っかかってしまい、外したり引っ張ったりで時間を食ってしまう。
そのうえ荷物を引くのは結構体力を使うらしく、いつもよりしんどいらしい。

案の定すぐに断念。
背負って行くスタイルに変更だ。
まあそもそも最初から背負れば良かったのでは・・・とは思っていても口には出してはならない。
彼にも彼なりの哲学があるのだ。
あえていばらの道を進み、己を磨いているのだろう。

8時50分 やがて植林帯を抜けて自然林の道になる。
トレースはない。
先行者はいない模様だ。
赤テープを頼りに進んで行く。

上空の青空の面積が少しづつ減少して行くのは気のせいか・・・
風も全くないので、そんなに寒くは感じない。
しいんと静まり返った森。
めちゃくちゃ雰囲気いい。

自然林の中をトラバース気味に進んで行く。
時折直射日光が森に当たって場面がパアッと明るくなる。

やがて東側が少し開けたポイントに出た。
画面中央奥に矢筈山とサガリハゲ山が見えている。
向こうも頂上にたっぷり雪を溜め込んでいるようだ。

これはクマ棚?
だよなぁ・・・
この辺りにもクマは生息しているという事か。

徐々に雪が深くなってくる。
相変わらずのトラバース道が続く。
やや歩きづらい部分もあったので慎重にクリアする。
アイゼンを付けていて良かった。

9時30分 看板ポイントに到着。
登山道は西側へ90°向きを変えて再び樹林帯の中に突入する。
このルートで一番きつい急登ゾーン。

ほぼ直登気味に稜線に上がる。
それにしてもTの背負っているそりの黄色が眩しい。
今の所そりが使えそうなポイントは皆無だが、大丈夫だろうか?

やがて稜線に出たんだろう、傾斜が緩くなり再び自然林の道となる。
ここから霧氷天国。
辺り一面すべて霧氷の森と化している。
素晴らしい。
ここまで来ても風は全くないので寒くない。
ただ天候が少し悪化したようで、上空は高曇り状態。
これで青空ならさぞかし豪勢だろう。

10時20分 1415mピークに到着。
随分予定時刻をオーバーしている。
小休憩し、10時30分 再スタート。
ここからの道は地図上でも細尾根部分もあるようなので慎重に進むことにする。

それにしても霧氷が本当にすごい。
シャッターが止まらない。


青空も少し顔を出してくれた。
霧氷に青空は本当に映える。

尾根道を外さないようにテープを追って行く。

かなり細っている所もあったりして、慎重にクリアする。
雪もますます深くなって、たまに踏み抜くようになって来た。
さらに木々に遮られている箇所が何箇所もあって、その都度迂回したり、体をねじ込んでなんとか通過したりとペースが上がらない。

途中で温度計発見。
-5度を示している。
風がないせいか、本当にそれほど寒さを感じない。

いよいよ道は分かりづらくなって来た。
テープを追って行くとどうやら1518mピークへ登るルートへ進んでしまったようだ。
本来は1518mの東側をトラバースしなければならない筈。
一旦戻ってその道を探すが、全く分からない。
この時点で時間もかなりオーバーしており、撤退の2文字が頭をよぎる。
ただ地図上ではもう少しで広い鞍部へ出るらしかったので、とりあえず一旦そこまでは進んでみようと言うことになった。
歩けそうなルートを進む。
方角は間違いなくあっているのでそのうち着く筈だ。

雪に遮られながら一歩一歩確実に進む。
この頃から天候も少し回復したのか光が差し込むようになって来た。

光を浴びて霧氷が一層輝き出す。
そして、ついに。

11時50分 大きな平原のような鞍部へ到着。
一気に視界が開ける。
北東側を見ると左側より目指す寒峰〜落合峠〜矢筈山。

南東方面には剣山、次郎笈の姿。
その手前には塔丸、丸笹山。

そして南向きに振り向けば、先ほどまで通過して来た、圧巻の霧氷の森。
さらに待ってましたとばかりに青空も出現。
本当に素晴らしい景色。
休憩することも忘れ、ひたすらシャッターを切りまくる。



もはやこの時点で大満足。
山頂は直ぐそこのようだが、ここで昼飯とする事にした。
いつものカップラーメン。
熱いスープがありがたい。
冬はこれに限る。

昼飯後はもう一度撮影タイム。
この時点で13時。
絶景も堪能したし、もはや頂上はいいかなっとなる。
再び青空も勢いを失い始め、曇り空へと変化して来た。
本当にラッキーな『お昼休み』だった。
13時30分 下山開始。

下りは登りのトレースを辿るので随分快調に進む。
ただ所々に細尾根が顔を出すので、慎重に。

本当にいい道だ。

途中のビューポイントから天狗塚が見えた。
そういや天狗塚も時も撤退したんだったなぁ。
今回も撤退となったが、不思議と満足している。
それ程までに素晴らしい霧氷と展望だった。

忘れていたが、Tのそりがようやく活躍する時が来た。
滑れそうなポイントで何回も挑戦する。
ムムム。
随分楽しそうだ。
今回のそりは結構大きく見えたが、一応子供用らしい。
やはり少し浮力不足みたいだ。
それでも前回のヒップそりに比べて十分スピードは出ている。
14時 1415mピークに到着。
随分早い。
登りはここから鞍部まで1時間30分もかかったと言うのに・・・

あっという間に樹林帯の急登ポイントまで帰って来た。
太陽も傾いて来ている。

さすがに木々が乱立するこの急斜面でソリに乗るのは危険と判断した模様だ。
まるで犬を散歩させているようにソリを操る。
14時42分 看板ポイント着。
ここからは自然林のトラバース。

東斜面なのですっかり影になってしまった。
雪も少し溶けただろうか、木々に付いている雪の量が減っている。
確かに今日は暖かかった。

展望ポイントで休憩。
剣山〜次郎笈〜三嶺〜天狗塚まで、東四国の山岳黄金地帯が一望できる。

15時28分 登山口着。
登り3時間半、下り2時間の山旅。
雪はそこまで深くはなかったけど、やはりトレースのない道を確認しながら進むのは時間がかかると再認識。
まあ今回も撮影隊と称して、ワタクシはほとんど後方からの行軍、常に先頭のT、お疲れデス^^;

残念ながら頂上は踏めなかったが、結果的になかなか良い山旅となった。
休憩地点の鞍部から振り返った霧氷の森には本当に感動した。
福寿草の群生も見てみたいし、いずれ再挑戦する予定。
思いの外緊張するトラバースがあったり、細尾根歩きがあったりで、アイゼン等最低限の冬山装備はしっかりして登る事をお勧めします。

さて次回はどこ行こう?
四国の雪山シーズンは短い。
できるだけいろんな所へ行きたい。




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