森の旅 

To the world where you've never seen.

絶品!国虎うどんと大シケの土佐湾の旅

約5分


なぜこうなのだろう。

頑として開かない瞼を必死でこじ開けて、疲れの抜けきれない体をギーギー動かしながら、やっと、やっと1週間の仕事を終えた金曜日の午後。
残された、土曜、日曜の黄金の二日間は私のような超平凡下級サラリーマンにとってはまさにサハラ砂漠にポツンと存在する清涼なオアシスそのもの。
これ無くして生きてはいけない。
現代に生きる日本人サラリーマンにとって、まさに命の水である。
そこではみんな思い思いに時を過ごし、英気を養い、次の月曜日からの死闘に備えている。
私たちにとっては一週間に一度の本当に貴重な時間なのだ。

私は計画していた。
今度のオアシスを完璧なものにしてやろうと。
具体的には、勢いで先日購入してしまった山岳テントを使いたい。
もちろん、近場の山で練習がてら建てるのもいいのだが、しかし、世の中はあっという間に秋。
標高の高い山では紅葉が真っ盛り。
そうだ!
この勢いで北アルプスへ行こう。
そこで最高の景色を撮りまくろう。
日本にはいろんな山があるが、やはり日本アルプスは少し別格。
特に私のような初心者には憧れの山である。
どうしても行きたい。
日本登山の聖地で華麗なるテン泊デビューを飾るのだ。
妄想はムクムク膨らむばかり。
およそテント泊に必要な物を買い集め、なんとか準備万端。
あとは決行場所と日時を確定するのみだ。
今度の土日はどうだろう?
同行するTと連絡を取り合いながら計画の実行を待ち構える。

そしてようやく迎えた金曜日の午後。
私は台風24号接近のニュースで絶望の淵に立たされる。
なぜだ。
なぜこうも山旅を計画すると悪天となるのだ。
それも今回はただの雨予報ではない。
台風である。
先日の台風21号で大阪周辺では大きな被害が出たのは記憶に新しい。
それとほぼ同じ勢力、同じコースで24号が接近中という。
四国には日曜日の日中から夕方に最接近。
その後紀伊半島から関東の方へ縦断するという。
もちろん計画はご破算である。
喉もカラカラ、ようやくたどり着いたオアシスの水が完全に干上がっていたという現実。
しかもこの計画自体今週が初めてではない。
数週間前から幾度となく決行しようしようとするのだが、その都度悪天候に阻まれ断念を繰り返すばかり。
いい加減そろそろ晴れてくれてもいいじゃないかと思う。
切実に。

前置きが長くなったが、いよいよ本題。
今回の旅は海。
というか、単なるドライブ。
台風により荒れ狂う海を横目にどこか安全なところで大波の写真でも撮れればいいかな程度の旅。
あまりにも山運に恵まれない私たち、その傷を舐め合う旅である。

こんな嵐の日に家を抜け出したTと合流。
とりあえずあてもなく東へ向かう。
台風の最接近は夕方、風雨が強まるまでに帰ってこなくては。

国虎うどん
カレーうどん photo by T

だらだらと車を東へ走らせる。
窓からは大時化の土佐湾。
時折雨風が強まるタイミングがあるのだが、それ以外はまだまだ落ち着いている。
道はそれなりに交通量もあり、普段の雰囲気とそれほど変わらない。
どこにも寄らず、車はあっという間に安芸市に到着。
安芸といえばやはりここ。
”国虎屋”さん。
写真にある国虎うどんとカレーうどんで有名なお店。
台風接近中ではあったが、いつもどうり営業中だった。
国虎うどんは味噌味で豚肉、ごぼう、にら、そして柚子が入っている。
ちょうど豚汁にうどんが入っている感じ。
これが本当に絶品。
今まで何回も訪れているが、ほぼこれしか頼まない。
カレーうどんも人気。
ボリューム満点で最初訪れた時に大盛りを頼んで泣きそうになったのを未だに覚えている。
高知県東部に向かう方は是非立ち寄ってみてほしい。
昼間は大変混雑しているが、待つ価値はある。

うどんを食べたあと、引き返すことに。
ここからは一気に。

途中の漁港で海を観察。
どん、どんと不気味な音と共に波が防波堤にぶち当たる度に飛沫が遥か上空まで舞い上がる。
圧倒的な自然の力に恐怖を感じる。

※望遠レンズを使って海岸からしっかり距離を取り撮影しています。
時化の時は大変危険です。
海岸に絶対近づかないでください。

やがて予報通り昼を過ぎると徐々に風雨が強まって来た。
14:00 無事自宅に辿り着き、山要素全くなしの今回の旅は終了。
次週こそ山へ行きたいと思っているが、すでに沖合には台風25号が大発生。
24号のコースを追従し、週末列島接近!と今ニュースでやっている。
なぜ・・・




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